その日、事件はニュースになったVol.172
- 2026.07.05
- その日、事件はニュースになった
その日、事件はニュースになったVol.172








港区I公園
当日の天気を調べたら
少し肌寒い、風が吹く夜だったようです。
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次話に続きます。
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悲しむでもなく、恐怖するでもなく、淡々と処分しに行く心理が怖い。
この主人公、懲役5年ならもう出所しているだろうけど、自分の罪、殺めた赤ちゃんのことはどう思ってるんだろうか。
赤ちゃんの遺体を、まるでゴミを埋めるように場所を探す様子から、全く気持ちはないんだろうな。
出産翌日(しかも自力)で体は平気なの?
超安産っぽいし、体力おばけ
これだけ体力あれば就活と子育て両立できた気がする
障碍ある人って、痛みに鈍感なのかもしれませんね 痛覚が鈍いと言うか
〉〉少し肌寒い、風が吹く夜だったようです。
…
すべてが動き出したのは、11月3日だった。
(155話より)
なんの因果か、フミカの日。
その日の夜は、秋の終わりを報せるような、または、冬の訪れの前触れみたいな、これはいよいよ冬用の外套をクローゼットの奥からひっぱりださねばなるまいと、あこさんに思わせるような程度には冷たい風が落ち葉を吹き飛ばしたり草木を揺らしていたことでしょう、あるいは、月が見えたり隠れたりしてみえるのは、それは風が雲を南の空へと押し流していたからで… …
…
って、三文小説なら、情景描写にと、風が吹く夜についてこうつらつらと書くところなのでしょうけども、
「しかし、S子の気持ちは、「紙袋」それだけで、風の冷たさも月の明るさも、そんなものはまったく感じていなかった。賭けてもいいが、土砂降りの雨が降ってたとしても、大切な仕事をやり遂げねばならないと考えるあまりに、傘さえささずに雨で濡れることにさえ気づかずに夜の街を征っただろう。
ともかく。
服を着て靴を履いてはいたものの、きっと、ずっと前からS子は「普通」ではなかった。これで紙袋を持っていたから生きた人間だとみなされたんだが、もしも、手ぶらで彷徨っていたならあやうくゾンビだと思われて倒されてても不思議じゃなかった。
いつものカフェに立ち寄った時だって、「パイとスムージーを…」ていつものように人の言葉を発したから客だと思われたんであって、そうでなければ通報されてたろう。
彼女の目。
いったい、S子はあの目でこの世界をどんなふうに見ていたのか? それはわからない。が、ひとつだけ言えそうなのは、きっと、前さえ見てなかったのだろう。この時の彼女には、周りも、過去も、あしもとも、未来も、手に持ってるはずの紙袋も、数メートル先の信号さえも見ておらず、ただ、開けた目を前に向けているだけで、何も見てなかったのだろう? そんなことはないはずだ? どうだろう? 時々、「あの日に自分がなにをやったかよく覚えていない」みたいな話を聞くことがあるだろう? あれは、政治家が都合の悪いことを話したくないからとすっとぼけてみせる「嘘」とかとは違って、本当に覚えてないのだ。目を開けて周りを見てるはずなのに? それなんだけど、だから、周りを見ていたその時、その瞬間に、何かを判断して行動するけど、そうした刹那には、もう忘れてしまってるのだ。見たりやったりしたことを覚えておくことよりも、大切な仕事をやり遂げなければならないという気持ちがあまりに強いと、それ以外のことは秒で忘れて、だから、翌日以降に誰かに聞かれても「よく覚えてない」て…
(三文小説でも、こんな長くは書かれまい。場面が場面なのだから、いっそ、
「S子は冷たい風にふと我にかえった。そこは公園だった。
家に居たのに…と思いながら腕時計を見たら、いつのまにか3時間以上も経過していた。 3時間かけてここまで来たのか? どうやって? …やけに右手が重い? ああ、仕事をするのに紙袋をもってきてたんだっけ? さて、じゃあ、さっさと終わらせねば。」
って、小説に仕立てるなら、こうなるんだろうか? そして、「月とか枯葉とかそれらについての描写が無いのは、この場面でそんなのはどーでもいいことなのだった」て読者には行間を読ませる。て、こう…
(文章で表現するとどうなるのだろうか?
ひとつだけ言えることがある。
「Witが示したのは、どちらも、たぶん、悪いお手本である」
しかしトイレで単独出産という過酷なことをしながら、普通に歩いて、ホテルにチェックインして赤子を捨てに行けるとは、先ずはその体力に驚き!
そして罪の意識や恐怖心などに捉われることなく、淡々と赤子を捨てに行ける精神力に驚き!
…というより、苦痛や疲れを感じたり、心が痛んだりする能力すら劣っているのかな?
だとしたら悲し過ぎる。
これを知った母の心理は如何ばかりかと